“一筆一筆に心を込めて”
いしど画材・似顔絵コーナー 福永明子さん


(記)柏木じゅん子


買い物客で賑わう週末の二番街。その二番街の一角、いしど画材ビルの前に「似顔絵コーナー」のテナントが出店している(※)。 似顔絵を描いているのは柏市出身の“画描き(えかき)”福永明子さん。福永さんは、京都芸術短期大学日本画コースを卒業した後、 呉服手描き友禅の仕事などを経て、1996年に柏市に帰省。現在は、似顔絵師・絵画作家・イラストレーター・絵画教室の講師として 活動中である。
福永さん1 サンプル

私も取材を兼ねて似顔絵を描いていただくことに。正面に座った私を時々見ながら、さらさらと筆を走らせる福永さん。 最初に描き始めるのは、似顔絵の中で最も重要な「目」の部分とのこと。15分ほどでデッサンを終えて、色づけ作業に取りかかる。 色が入ると表情が生き生きとしてくるそうだ。そして、完成した似顔絵を見せていただくと、まるで鏡でも見ているかのような自分の 顔がそこに描かれていた。近くを通りかかった女性も「うわー!そっくりね!」と感嘆の声をあげるほどの出来栄えである。

福永さんは2007年1月からいしど画材ビル前のテナントを始めたが、それ以前に、柏まつりでも似顔絵テナントを出店していた。 似顔絵を通して様々な人たちと出会う中で、特に印象に残った出来事を伺うと、赤ちゃん連れのある若いご夫婦との出会いについて 話してくださった。 昨年の柏まつりで生後2ヶ月になるお嬢さんの絵を描いてもらったご夫婦は、お子さんの1歳の誕生日にアルバム風の絵本をプレゼント したいと考え、再び福永さんのもとを訪れた。そして絵本の文章はご夫婦が、イラストは福永さんが描き、世界にたった1つのオリジナル 絵本が完成した。「ご両親のお嬢さんに対する深い愛情が伝わってくると同時に、きっとお嬢さんも、自ら望んでこのご両親のもとに舞い 降りたのだろうなと思ったんです。命の誕生の尊さを改めて感じた出来事でした。」と福永さん。唯一無二の命の誕生を祝うその絵本は、 ご家族にとって宝物になったことだろう。

二番街

福永さんは、二番街の思い出についても語ってくださった。「私にとって、二番街は柏の中でも一番馴染み深い場所です。」 小学校低学年の頃、二番街にあった映画館で「宇宙戦艦ヤマト」を観たこと、当時は店舗数が少なくて物珍しいお店だった マクドナルドでハンバーガーを食べたこと、友達と一緒に新星堂に立ち寄ったことなどが思い出に残っているそうだ。また、 中学時代に『りぼん』に漫画家最年少デビューを果たした福永さんは、いしど画材でスクリーントーン等の画材を購入した とのこと。更に高校時代には、同画材店のデッサン教室に通うなど、アート活動の原点が二番街にあった。「その二番街で 現在こうして絵を描かせていただいているのは、とても幸せなことです。」と福永さんは微笑んだ。

福永さんは、二番街や柏まつりの「似顔絵コーナー」のテナント以外にも、アーティスト仲間たちとのライヴペインティング イベント「ドッペルナンチャラ倉庫」など、柏市内のアート活動に積極的に取り組んでいる。10月6日(土)には「ドッペルナ ンチャラ倉庫 vol.10 (at MONAIZO)」が予定されており、また、福永さんの個展も、10月4日(木)〜11月4日(日)に柏駅東口 そごう近くの「カフェ・カルディー」にて開催される。

福永さん2

福永さんが描く似顔絵や作品は写真のように精密だが、どこか柔らかく優しい雰囲気を醸し出している。それは、福永さんが どんな被写体に対してもあたたかな眼差しを向けて、一筆一筆に心を込めて描いているからなのだろう。

※「いしど画材・似顔絵コーナー」は、毎週土曜日もしくは日曜日に出店。他のイベントが重なる場合もあるので、 スケジュールについては下記の福永さんのHPをご参照ください。


福永明子さんのHP